夜行バスなど、長時間の移動で気を付けたいのが「脱水症状」です。
トイレを心配して水分を控えてしまいがちですが、身体には負担がかかってしまいます。
今回は、脱水症状の原因と、高速バス・夜行バスを利用するときにできる対策についてご紹介します。
バスを降りてからも元気に過ごせるよう、脱水症状対策を頭に入れておきましょう。
更新日:2022.03.29
脱水症状は水分・塩分などが不足すると起こります
「脱水症状」とは、体内の水分や塩分、ナトリウムやカリウムなどの電解質が不足した状態のこと。
暑いところで大量の汗をかいたり、体調を崩して下痢・嘔吐などが続いたりすると、引き起こしやすくなります。
とくに、体内の水分量が少ないお年寄りや、身体の水分量を調節する機能が未発達な幼児は、脱水症状を起こしやすいので注意が必要です。
脱水症状による身体への影響
脱水症状になると、身体にはどのような影響があるのでしょうか?
血管が詰まりやすくなり、酸素・栄養素の循環が滞ってしまう
汗をたくさんかいたりして体内が水分不足になると、血液が濃くなり、血管が詰まりやすくなります。
このような状態では、酸素や栄養素をスムーズに巡らせることができなくなり、体力低下につながってしまいます。
体温調節が困難になる
血液は、身体を巡りながら体内の熱を発散する役割を持っています。
そのため、血液の循環が悪くなると体温調節機能の働きも悪化してしまうのです。
老廃物の排泄が難しくなる
血液には、老廃物を運ぶ役割もあります。
血液の循環が悪くなってしまうと、老廃物の排泄も難しくなり、身体によくありません。
脚がつったり、しびれたりする
ナトリウムやカリウムなどの電解質が失われると、体液の浸透圧を維持するのが困難に。
とくに、カリウムやカルシウムの電解質が不足すると、筋肉や神経に影響があり、脚がつったり、しびれや脱力が起きたりすることがあります。
一日に飲み物で補給すべき水分量は1.2リットル程度
私たちの体の約60%は水分。
体内の水分を維持するためには、飲み物から約1.2リットルを摂取することが必要と言われています。
私たちは、一日に2.5リットル程度の水分を汗や尿などで失っています。
その代わりに、飲み物から約1.2リットル、食べものに含まれている約1リットル、食べ物分解時に生じる水分の約0.3リットルを食事で補っています。
身体は「水分摂取量=水分排出量」となるように、コントロールしているのですが、摂取する水分が少ないと、水分バランスが悪くなってしまいますよね。
そのため、ちゃんと水分を補給することが大切です。
逆に水分を多く取りすぎたら、どうなるでしょうか?
水を一度に過剰に摂取した場合、体内のナトリウム濃度が下がることで内臓に負担がかかり「水中毒」という症状になることがあります。
身体がだるくなったり、消化不良を起こしたりするだけでなく、死に至ることもあるので、水を一気に大量に飲むのは止めましょう。
脱水症状の対策はコップ1杯程度の水分をこまめに飲むこと
脱水症状を起こさないためには、水分の補給が必要不可欠!
ただし、少しずつこまめに摂取することがポイントです。
1回につきコップ1杯程度を目安に、1日に6~8回程度飲むようにすると良いでしょう。
「何時に飲めば良い」というきまりはありませんが、起床時、移動で歩いた後、スポーツ時、お風呂に入った後、眠る前などに水分補給していきましょう。
夜行バスに乗る場合は、就寝前と起床時には水分補給を忘れずに。
就寝前に水分補給をすると、睡眠中に水分不足で血液中のミネラル濃度が上昇するのを防ぐのに役立ちます。
起床時は、眠っている間に高くなった血液中のミネラル濃度を下げるためにも、水分補給が必要です。
水分補給は、どのような水分でも良いというわけではありません。
カフェインの入った緑茶やコーヒー、アルコールは利尿作用を促すため、トイレが近くなったり、脱水症状を招いたりします。
ノンカフェインの飲み物や、ナトリウムやカリウムなどの電解質を補えるスポーツドリンクなどを飲むようにしましょう。